住宅購入を考える際に、まず決めなければならないのが、注文住宅にするか建売住宅にするかです。しかし、どちらも住宅なのに何が違うのかわからないという方も多いです。
「注文住宅でないと、満足のいく生活ができないのではないか」
「建売住宅は住宅性能が劣っているのではないか」
など不安に感じていらっしゃるのではないでしょうか?
簡単にわかりやすく、それぞれの住宅の特徴と違いについてご紹介いたします。
注文住宅と建売住宅について
注文住宅は、住宅のオーダーメイド商品のようなものです。一方、建売住宅は、すでに出来上がった商品(住宅)です。つまり、住宅の購入・契約の仕方が異なります。
<契約方法>
注文住宅・・・建物のみ
建売住宅・・・土地付き建物
住宅を建てるためには、土地が必要です。注文住宅は、土地をあらかじめ購入・所有してから、住宅の契約を行います。住宅はオーダーメイドであり、どのような住宅にするか決まっておらず、その金額が定まっていないためです。
一方、建売住宅は、土地と住宅をセットで契約します。住宅は既に出来上がっているため、その金額が決まっているため、土地と住宅をセットで契約することが可能です。
注文住宅の購入方法
注文住宅は、まず所有もしくは購入予定の土地を建設予定地とします。そして、住宅メーカー、工務店などに設計を依頼します。設計が完了し、工事請負契約を結び着工となります。
土地・住宅、2つの契約を結ぶ必要があります。メーカーと契約してから、住宅が完成し引渡しされるまで、最低でも半年間かかります。そのため、設計の打ち合わせから、実際に住めるまでには半年から1年以上かかります。
建売住宅の購入方法
建売住宅は、不動産屋などが公開している物件(土地・住宅セット)を購入します。建売住宅は、分譲住宅とも呼ばれます。不動産屋が、広い土地を購入し、そこを5~10棟分の土地を分譲して住宅を建設し、それらを販売するためです。
土地・住宅がセットになっていることで、金額が明確なため、購入がしやすいのが特徴です。建売住宅は、基本的にはデザインを変更することはできませんが、壁紙など変更してくれるものも中にはあります。
注文住宅と建売住宅のメリット
注文住宅と建売住宅は、どっちを買えば良いの?というのが、みなさま悩まれるところです。
どちらもメリットデメリットがありますが、デメリットはどちらかのメリットのため、ここではそれぞれのメリットについてご紹介いたします。
注文住宅のメリット
・デザイン、間取り、住宅性能を自由に設計可能
・建築過程を見ることができる
注文住宅の一番のメリットは、デザイン、間取り、住宅性能を自由に設計できることです。例えば、建売住宅は建坪30坪・4LDKなどのような一般的な広さと間取りが多いです。注文住宅であれば、土地があれば建坪も自由ですし、間取りに関しても自由です。
また、注文住宅は、発注してから建築を始めるため、その過程の一部始終を見ることができます。工事過程を見ることで、より安心して住宅に住むことができます。
建売住宅のメリット
・コストが抑えられる
・契約が比較的簡単
・住宅の住み心地が想像できる
・引き渡し後にすぐに住むことができる
建売住宅は、土地と建物をセットで販売し、かつ数棟をまとめて建設するため経費を抑えて建てています。土地購入価格も抑えつつ、建材も一度に多くを仕入れて材料費も抑えているため、販売価格を比較的安くすることができます。
注文住宅のように、契約を土地と建物で2回行う必要がないため、契約も比較的簡単です。また、契約手数料もその分かかりません。
建売住宅の一番のメリットは、完成した住宅を内覧することができるため、住み心地を容易に想像することができることです。注文住宅は、設計図や3D映像を見ることはできますが、実際に体感しなければわからないことも多くあります。また、住宅は完成しているため、引き渡し後にすぐに住むことができます。
建築条件付き土地は、注文住宅or建売住宅?
建築条件付き土地は、注文住宅に制限がついたようなものです。
建築条件付き土地を購入すると、住宅は比較的自由に設計できますが、建築条件としては、建設会社が決まっており、間取りなどもほぼ決まったものから選択するようになります。
なぜ、このような販売方法があるのでしょうか?
それは、建築条件付きの土地とすれば、土地だけの利益ではなく、建物の利益も入ってくることが決まるためです。
また、建築会社を指定することで、工事費用の営業経費も浮きます。つまり、不動産屋として、土地を比較的安い金額でお客様に提示することができます。そして、お客様も気に入った土地を比較的安価に購入できるメリットがあるためです。
(建築条件付き土地とは)
建築条件付き土地とは、土地に2つの制限がかけられたものです。
・決められた施工会社に依頼すること
・その会社と一定期間内に工事請負契約を結ぶこと
2つ目の条件があることからも、間取りなどの設計を1から行うのではなく、決まったプランから選ぶということが一般的です。
建築条件付き土地を購入しても、不動産会社によっては、解除費用を支払うことによって、制限を解除することも可能です。
Q&Aまとめ 注文住宅・建売住宅どっち?
Q 間取りが決まっているのは?
A 建売住宅
建売住宅は、既に完成しているため、間取りなどを変更することはできません。
Q コストが高いのは?
A 注文住宅
注文住宅は、土地と建物の2回の契約手数料がかかり、つなぎ融資も必要になります。また、設計を1から行うため設計料もかかります。同じ使用の住宅を建てても、注文住宅の方が高くなる傾向にあります。
Q リフォームしやすいのは?
A 構造による
リフォームのしやすさは、注文住宅と建売住宅といった違いはありません。一般的には、構造によってリフォームのしやすさは、在来工法>ツーバイフォー工法>鉄骨造などになります。
Q 建築過程を見ることができるのは?
A 注文住宅(建売住宅)
注文住宅はもちろんですが、建売住宅も建築前で販売されているものを購入した場合は、建築過程を見ることができます。
Q 早く住むことができるのは?
A 建売住宅
完成した建売住宅は、引き渡し後にすぐ入居可能です。注文住宅は、契約後に建設開始するため、実際に住むことができるのは半年以上先になります。